諦めた

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ここ二、三ヶ月ほどOBチームの仲間にバレー戦術やシステムについて熱弁してきたけど、やーめた。Aクイックとレフトオープン、ライトオープン、時々時間差のバレーをしてればいいさ。5人でのサーブレシーブでもういいや。バックオーダーやめてフロントオーダーに戻すか。それが「普通」という認識なら、そっちの方がいいに決まってる。ライトプレーヤーがレフトから、レフトプレーヤーがライトから攻撃するローテのときも、いままでどおりポジションチェンジすればいい。どうせ相手チームはオープン攻撃だから十分ブロックに間に合うだろうし。「リードブロックって何?」、「パイプ攻撃って何?」、自分たちのやらないプレーのことは全く興味がないご様子。「ポジショナルフォルトのルールがわからない」から前衛を後ろに下げての3人レシーブなんて無謀だったよ。「栗原って誰?」「越川って誰?」ってもう疲れた。

母校のコーチしている人でさえせっかく戦術やシステム的な知識は他の人よりあるのに、自分の中で勝手な「高校生のバレー」の線引きをし、前時代的なバレーをし続けようとしていた(る?)。「上位に行くチームはそうだけど(できるけど)、うちらは違う(うちらには無理だ)」って指導者の言う言葉ではないな。やらなければ出来なんだからさ。個人的には、きっちりとした戦術やシステム(フロントオーダーとかバックオーダーとかそんなことではなくて)を持っているチームが上位に行くんだと思う。知らないチームは問題外だけど、「無理だから」とやらないチームは結局それなりな気がする。現役時代に自分らが一番それを感じてるはずなのになぁ。あの戦術がなかったら、自分らも県大会へは行けなかったと思うんだ。自分らが高校時代やっていたことですら、今の高校生には「無理」だというから、まあ無理なんだろうけど。

バレーボールほど、競技者に戦術やシステムの理解されてない(知られていない)スポーツはないんじゃないかと思うくらい、特に自分の周りの人はバレーをするだけで、観るのも、まして知ることもしない。高校時代も全日本とかの話で盛り上がれたのは(佐伯がいいとか山内きれいとかそんなレベルだけど)同期の部員で一人だけだったし。自分もセリンジャーや吉田監督の本は読んだこともなく、システム的なことに詳しいわけではないけど。バレー雑誌もなんとなくグラビア雑誌化されてから(朝日とかの時代で嫌気が差して)読むことはなくなったし、TVでも解説者は状況話すだけで、「解説」は何一つしてくれない。地上波じゃ日本戦ばかりの上、日本開催の国際大会は操作された組み合わせで、日本が戦いやすい対戦相手ばかりだから、今どきの世界レベルを知っているわけでもない。それでも知る機会があれば知りたいし興味はある。戦術やシステムを知らなくても、レベルの高い試合は見ているだけでも面白いのに。もう少しみんなみたいにバレーに対する「鈍感力」がほしいと思う今日この頃。

だから、もう自分はバレーボールをするのを諦めました。バレーボールのような、バレーボールっぽいスポーツをすることにします。「W杯バレーへの道」でワールドリーグ決勝戦のダイジェストを見たとき、世界のバレーは自分の知らないほど、想像以上に進化しているのを知った。越川のパイプを速いと思って観ていた自分が恥ずかしくなるくらい、差があった。ネットで色々調べれば調べるほど、当たり前と思っていたことがもはや古いものであったり間違ったものだとも知った。トップレベルは20年、10年前とは明らかに違うスポーツになっている。進化の過程を追えば、次に何をすればいいかのヒントになるはずなのに、それを先取りできれば有利になれるはずなのに。残念だ。

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