ワールドグランプリ、今週からは深夜での放送。昌ちゃんも日本開催の大会に比べると色々試せていて面白い。カメラもエンド側からのアングルも多くあって新鮮に観られます。
第1セットからリーグ戦でもそんなに見られない美雪のバックアタックが、中央から、ライトからと何本も出ました。さすがに決め切れませんでしたが。さらに高橋までバックアタックを打ったのはビックリ。初めて見たけれど、これもゆるいスパイクに。このプレーがこの試合で一番笑ったプレー。今までバックアタックを打っていなかった選手を試すことはいいことだけれど、今の全日本でまともなバックアタックが打てる数少ない選手の一人、栗原の存在は大きいと思った。
美雪のレシーブもまずまず。第1セット終盤ミスが続いたけれど、二枚替えでのポジション確認など、細かい部分でまだまだという印象。随所に巧いプレーを見せ、ある程度は使える手応えは掴んだ様に思います。
みゆきと美雪が同時にコートに立つと佐野を含めて鉄壁のレシーブ。木村も含め4人のレシーバーで回せたので、その内の3~3.5人でレシーブをしていたとように見えました。高橋や木村の負担も減るので状況に応じてアリな戦術と思うけど、みゆきと美雪のバックアタックでは心許無いので、どうしても攻撃の枚数が減ってしまう。いいレシーブが返っても切れなければ意味がないわけで。そういう意味でも、日本の大型サイドの中で希少な(それなりに)レシーブが出来て(そこそこ)ブロックも上手い栗原には期待せざるを得ない状況ですね。
第3セット途中から美雪に替わって大村。サイドの大村がクイックに跳んだり、バックアタックが炸裂したりといい味出しました。大村に限らずだけど、単発のバックアタックではなく、コンビとしてのパイプなどを組み込んでいかないと相手ブロックをかわすことは難しいと思います。
ただ、こういうバレーは北京直前の大会で試すのではなく、アテネ以降の4年間でやってくるべきことだと思う。新戦力、戦線術と言っても30歳以上の狩野と大村、神戸ラウンドの多治見なわけで、北京以降へ繋がるものがほとんどない。4年前は次代を担うメグ・カナ・サオリや大友といったこれからの(はずだった)選手が、佐々木や吉原ら優れた選手を控えに回して、または彼女らのバックアップを受けて出場していた。アテネは勿論、その後の北京にも期待を持てるチームだったように思います。男子バレーと違い、Vリーグ各チームの協力を得られないらしい柳本体制にはある意味同情もしますが、自業自得にも思いますし…。
今までと違うことを試そうとすることが、これだけ新鮮で面白く感じたのは、よっぽど変化のないバレーを続けて来たんだと改めて感じました。男子のワールドリーグもアウェイでは若手中心みたいだし、こういう試験的なプレーも日本の大会で見られたらいいのに、と思いました。